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日々のこと、「地球へ…」のことソルジャーブルーのこと。その他ラクガキ。

2024

0518
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2008

0505
自分が悪いとはいえ、自室で寝られないのです…。ヘンな所で寝たので寝起きが最悪でした。
でも次の瞬間
「アルタミラのみんなはこれより辛かったに違いない…」
とうるうるしました。どんだけ脳内地球祭りかわかりません。

★携帯更新分3話分をまとめました(08/05/15)★

ハーレイは時間の許す限り彼らを見舞ってはいるが、かける言葉にも思念にも応えはなかった。
背後から狙われたソルジャーシンを庇って、敵の駆逐艦との間に盾として入り込んだギブリに彼らは搭乗していた。すぐさまソルジャーが反撃し、機体はシャングリラに回収されたのだが——虚弱なミュウが受けた身体及び精神的ダメージは、彼らの神経を破壊した。
人間の脳神経細胞ならば、一度死んでしまえばもう再生は望めない。しかし彼らはミュウだ。ハーレイはその回復力を信じていた。自らの力が及ばず守りきれなかったソルジャーシンを、身を呈して救ってくれた勇敢で大切な部下だ。たとえ全てのミュウが諦めたとしても、自分は決して諦めたりはしない。
代われるものならば代わってやりたい。戦闘後に泣きながらソルジャーシンはそう呟いた。僕よりも年下のミュウだったと。人目をはばからず涙をこぼすその肩に、ハーレイは手を掛けることしかできなかった。自分とて同じ気持ちだ。しかし、彼も己もそれを願うことすら許される立場ではない。

かけがえのないたった一つのいのちを宿した存在でありながら、人は誰かを守るために自らを犠牲にする生き方を選ぶことがある。
ソルジャーシンもハーレイも、多くの同胞そしてミュウの未来を守るためにいのちを懸けて戦っている。そして、今この腕の中に居る唯一無比の戦士こそが、自分たちを守るためだけに全てを差し出したミュウの光だった。その輝きが弱くなっていく様を、ずっと傍らで見つめていた。彼を守るためにいのちを懸けてきた。しかし後継者であるジョミーを見つけそのおもいを託したソルジャーブルーは…いつしか深い眠りから目覚めることがなくなった。
寝返りすらうたない身体は、頻繁に角度を変えなくては強ばりうっ血してしまう。今はフィシスが定期的にその役をこなしてくれている。盲目で細腕な彼女にとってはかなりの労力を必要とするが、それを引き受けたいと進言してくれたときハーレイはこころから有難いとおもった。たとえ眠りについていたとしても、ソルジャーブルーにとって彼女と過ごせる時間は大切なものだとおもうからだ。
そして自分は…フィシスには決して頼めないことをノルディとしている。そう、ソルジャーブルー自身のためにも。

スロープを下りきったところには、青の間専用のバスルームがある。ノルディが先に用意してくれていた湯の蒸気で、部屋は既に温まっていた。ブルーの着衣に手を掛けたときに、彼はようやく重い口を開いた。
「キャプテン、ソルジャーブルーの入浴は私たち医療セクションに任せてもらえませんか」
その言葉にハーレイは手を止め彼の顔を見返した。
「何故?」
「あなたはここ数年まともに睡眠を取っていない。ソルジャーブルーのことを痩せてきたと言っていたが、ご自身も随分と痩せてしまったのですよ…これ以上無理を重ねて欲しくないのです。医師としても、あなたの友人としても」
ふと見下ろした自分の身体は、確かに以前よりも貧弱な様子に見えた。
彼の自分を案じる真っ直ぐなおもいに、胸が熱くなる。しかしハーレイはかぶりを振って答えた。
「ノルディ。君の気持ちは嬉しい。だがソルジャーブルーの身体を私は他の者に晒したくはないのだよ」
そうして、ゆっくりと紅玉のついたジッパーを開いた。

(続く)
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